AFTER SESSION with Tomoki Sukezane VOL.4
2023.06.02feature
AFTER SESSION
with Tomoki Sukezane
2021年から祐真朋樹をクリエイティブディレクターに迎え、新時代を築きつつあるランバン コレクション メンズ。彼はいかなる手法で、パリ最古のクチュールメゾンのエッセンスを再解釈し、現代にアップデートさせているのか?そしてクチュリエ由来のクラフツマンシップを貫き続けるランバン コレクションは、いかなる技術によって彼のこだわりと志を具現化させているのか?
2023年春夏コレクションが店頭に並んだ今、アフターセッションという形で両者のものづくりを振り返ってみよう。VOL.4では、イタリアの有名ファクトリーに別注したレザーグッズの数々をご紹介。イタリアの職人技術とフランスの感性の融合によって生み出された、新しい名品とは?
VOL. 4 イタリアだからつくり得た、ランバンらしいバッグとは?
イタリアの名門をパートナーに選んだ理由
――ランバンらしい色へのこだわりについて、たくさんのお話を伺ってきましたが、今季のバッグもそういった発想のもとにつくられたのでしょうか?
祐真朋樹(以下祐真):それは常にありますね。特にブルーに関しては「ランバンブルー」という名前があるほどに、ブランドの核をなしている要素なので。実はランバンブルーは、初期ルネサンスの画家フラ・アンジェリコのフレスコ画が着想の源になっているんですよ。バッグに関しては海外メーカーへの別注という形でつくっているのですが、レザーやカラーリングを選ぶ上では、そうしたブランドのDNAをいつも意識しています。
LANVIN COLLECTION(以下LC):そういうランバンらしいものづくりができるパートナーとして、私たちはイタリアのダニエル&ボブというファクトリーに別注しています。
――イタリアのフェラーラにある実力派ファクトリーブランドですね! でもこういった色は、ほかではあまり見たことがありません。
祐真:このトートバッグは、ランバン コレクションらしい少し曖昧なブライトカラーのシュリンクレザーを選んでいます。ただし、甘くなりすぎないように裏にはライトグレーのスエードを貼ってもらい、シャープに見せました。ポケットの裏にはリネンのキャンバスを使うなどして、モダンさとクラシック感のバランスを取っているんですよ。
柔らかいのに自立する!機能と美しさの両立
LC:実はダニエル&ボブの真骨頂って、ライニングを使わず裏にスエードを貼った一枚革を、柔らかく縫えることなんですよ。しかもすごいのは、こんなに柔らかいのにハリ感があって、ちゃんと自立すること。これは素材とパターンメイキングと縫製という三位一体が、完璧に成り立っていることを意味するんです。
祐真:これはすごいよね。あと、このハンドルも柔らかいでしょう?
LC:これもダニエル&ボブの特徴なんですが、ハンドルに芯地を入れず、3枚の革を重ねて構成している。これが絶妙に手になじむポイントです。コバの仕上げも実に美しいですよね。本当に、祐真さんならではの素晴らしいチョイスだと思います。
祐真:このトートには、ダニエル&ボブのいいところが詰まっているんですよね。その上でフラップ使いによって中が見えないようにしたり、ベルトの位置を変えたりと、かなりアレンジさせてもらっています。小ぶりなミニショルダーバッグも、サコッシュのイージー感を取り入れて、今の時代感を表現しているんですよ。
LC:このバッグは、既存のモデルよりも底のカーブに丸みを持たせたんです。しかも普通なら黒や茶色のストラップを付けるところを、祐真さんはボディと微妙に色をずらしたブルーを選んで、ランバンらしいものにアップデートさせてくれました。
祐真:今どきはこういうミニショルダーバッグを持って、手ぶらでどこにでも行っちゃうんだろうね。
LEATHER LARGE TOTE ¥104,500
LEATHER MINI SHOULDER ¥46,200
一枚革のシュリンクレザーを贅沢に使ったラージサイズのトートバッグは、メンズではあまり見ないブライトカラーが特徴です。大きめのフラップストラップのアレンジによって形や容量を変化できるため、オンオフ問わず使える点も魅力。クラシックなブラックカラーも展開しているので、お好みでどうぞ。近年人気のミニショルダーバッグや、昨シーズンから継続しているコインケースなど、スタイリッシュにして実用性満点のレザーグッズが揃います。