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ウィンザー公爵が生み出した英国を代表するチェック。

2024.10.15feature

ランバン コレクションでは毎シーズン、ジャンヌ・ランバンが生きた時代に思いを馳せ、その時代背景や流行、そして、その時代を彩った人々などに着目してテーマを決めています。今シーズンのテーマは、ランバンを愛した名士としても名高い、ウィンザー公爵・エドワードに注目しました。

Directed by_Tomoki Sukezane
「ALLO!ALLO!EXPRESS Vol.3」より)

プリンス・オブ・ウェールズ・チェックとは、グレンチェックに青や赤のカラーペインを組み合わせた柄のこと。ウィンザー公爵が、伝統柄を自分好みの配色にアレンジしたのがこの柄です。
今季は、ドーメル社の『15 POINT 7』でこの柄のスーツを作りました。合わせるクレリックシャツは通常のワイドスプレッドよりも襟を小さくし、ウィンザー好みに。ナロータイには今季の新しいロゴをあしらいました。ジャケットの袖口のルージュラベルもポイント。ぜひ付けたままで着用して頂きたいのですが、四点留めで簡単に外せる仕様です。

お茶目な敬礼(?)ポーズは、ウィンザー公の古い写真からインスピレーションを得たもの。
無地のスーツも、ウィンザーチェックと同じくドーメル社の超軽量ファブリック、ROYAL 11を使用。

新しいブランドロゴが加わりました。鮮やかなルージュのラベルがそれです。ジャケットの袖口やブルゾン、T シャツ、ドレスシャツの裾、パンツの腰部分やハットにも、カジュアルにパッチしています。ジャケットの袖口は取り外しやすい四点留め。下の、ウィンザー公のシルエットが赤いラベルに腰掛けているモチーフは、今季のプリントTシャツにも使われています。王冠を手でくるくる回しているキュートな柄のTシャツはこれからの季節にもぴったり。今季のみの企画です。

ラグジュアリーブランドが好んで使うイタリアの生地メーカー「エンメテックス」。今回別注した素材は、限りなくヘリンボーンツイードに見えるのですが、スウェット上下のような着心地が楽しめます。軽くて柔らかく、伸縮性が抜群。そして型崩れが非常にしにくい素材です。ウール50%、コットン50%という混率で、ウールのエレガントな魅力を残しつつ、膝や肘部分が飛び出しにくいバランスとなっています。ミドルエイジにはまさにうってつけのジャケットだと思います。

ジャージー素材というと、ジャケットのテールラインなどが歪みがちですが、このアイテムは崩れません。生地メーカーの技術進化は圧巻です。


写真のチャコールグレーの他、ネイビーもあり。ビジネスの場面はもちろん、是非遊び着としても活用して下さい。きちんと見えつつ、超ラクチンな着心地を堪能できます。写真ではLCMらしくローゲージのタートルネックニットを合わせていますが、シャツ&タイを合わせてビジネスシーンにも。ポケットのチーフは、今季のテーマであるウィンザー公の無造作なあしらいを参考にしました。きちんと折りたたんで入れるのではなくカジュアルに、が、おしゃれなウィンザー公の気分です。

両手の指を組んだポーズは、これまたウィンザー公が晩年、パリで過ごしていた頃に撮られた写真を参考にしています。靴はパラブーツ社とコラボしたグロスレザーのシャンボード。表面の艶が、LCMらしさを醸し出しています。


ツイード素材といえばスコットランド。永遠の人気アイテムですが、重くて着にくいのが弱点。それを超軽量にして、着こなしやすい服へ変貌させることに成功しました。昔は、「重厚なヘリンボーンツイードを着込んで自分の肌の一部のようにして着る」みたいなストーリーに憧れたりした人が私を含め、多いと思いますが、なにしろ重いし着ているのが大変。「見た目はツイードだけど、着たら嘘のように軽くて柔らかい」、そんな夢のようなアイテムがあればいいのに、と長年思っていました。このジャケットは、本気でヘリンボーンツイードに見えます。うるさがたの集まるアイリッシュパブやクラシックなバーカウンターに出かけるなら、是非この出で立ちで、スコッチのストレートなどをキメて頂きたいものです。

一見、頭デッカチに思われそうな状況におけるスタイルですが、その実、軽やかで柔軟なハートの持ち主なのかも?と周囲を思わせるジャケットです。こういう進化した素材だと、どこでもうとうとできるし、人の見ていないところでゴルフの素振りも可能です。肩こりもしにくいはずです。つまり、きちんとした人に見えるにもかかわらず、そうじゃない。究極のフェイクツイードとも言えます。

「ALLO!ALLO!EXPRESS Vol.3」では他にもブランドの魅力を様々な角度からお伝しております。ぜひご覧ください。

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