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ランバン コレクション メンズと池波正太郎がコラボレーション

2023.06.22feature


パリのエレガント=下町の粋。
ランバン コレクション メンズと池波正太郎が出会った!

「ランバン コレクション メンズ」と池波正太郎がコラボレートした! ・・・と聞けば、誰もがびっくりするでしょう。1889年の創業以来、フランスのモードファッションの象徴であり続けるランバンという名前と、今年で生誕100周年を迎えた昭和の文豪・池波正太郎氏の名前は、なかなかリンクしないかもしれません。しかしクリエイティブディレクターの祐真朋樹が結びつけた両者のコラボレートは、決して気を衒ったものではなく、いわば必然の出会いによるものと言っても過言ではありません。ここでは、その全貌をご紹介いたします。

池波正太郎が描いたパリがTシャツになった

日本を代表する時代劇作家であると同時に、近年では食やダンディズムをテーマにしたエッセイで、没後30年以上たった今でも若者たちから人気を集める、池波正太郎氏。東京・浅草に生まれ、下町の粋を象徴する存在だった彼は、実は若かりし頃からフランス映画を愛し、晩年はたびたび旅行を楽しんだ、大のフランスびいきでした。

中でも彼が気に入っていたのは、パリの下町。『あるシネマアディクトの旅』(文春文庫)では、パリのレ・アールにあった今はなき老舗居酒屋「B・O・F」とのエピソードが綴られており、「江戸時代の下町にある居酒屋のような感じ」などと表現されています。生粋の江戸っ子である池波氏は、自身が愛し憧れた在りし日の東京と重ね合わせるように、パリの下町歩きを楽しみました。そして彼は、その旅の思い出をエッセイのみならず、いくつもの絵画に遺したのです。

そんな池波正太郎氏のエッセイを若かりし頃から愛読し、影響されてきたと語るのが、「ランバン コレクション メンズ」のクリエイティブディレクターを務める、スタイリストの祐真朋樹です。彼は、池波氏の語る江戸っ子の〝粋〟と、ランバンも提唱するフランスの〝エレガンス〟という美意識の間に、多くの共通点を発見。そして池波氏がパリをテーマに描いた3枚の絵画を、Tシャツにしました。


池波氏が描いたワインオープナーとともに、アイコンのようにTシャツに記されている言葉は、〝Le meilleur d’Edokko 粋=élégant〟。その意味は池波氏を表す「最高の江戸っ子」と、東京とパリの下町、遠く離れたふたつの街に根付いた共通する美意識「粋=エレガント」です。

型にはまらない自由な精神を持ちつつも気働きができて、決して通ぶったりしない・・・。池波正太郎氏のエッセイのように、時代を超えた〝男の作法〟が、このTシャツには宿っているのです。


LANVIN COLLECTION MEN’S×SHOTARO IKENAMI
粋=élégant T

『あるシネマアディクトの旅』(文春文庫)をはじめ、多くの池波エッセイに登場する老舗居酒屋「B・O・F」と、その店主セトル・ジャンを描いた作品がプリントされたTシャツ。



シトロエンの黄色い2CV、書店へと向かうパリジャン、そして野良犬・・・。舞台こそ定かではありませんが、池波氏がこよなく愛した、パリの何気ない下町の日常が描かれた、まるで映画のワンシーンのような作品。


こちらは池波エッセイの名作『散歩のとき何か食べたくなって』(新潮文庫)の表紙になったことでも有名な作品。藤田嗣治やピカソ、キスリングといったベルエポック期のアーティストに愛された、モンパルナスの老舗カフェレストラン「ク―ポール」の紳士と給仕が描かれています。


ソフトな肌触りと滑らかな風合いが特徴の、コットンスムース素材を採用。着丈を短めに設定したほどよいビッグシルエットや、丸みをもたせたテール、ガゼットで補強したスリットなど、細部にまでこだわりが凝縮されています。背中位置には、ワインオープナーの絵画と〝Le meilleur d’Edokko 粋=élégant〟のメッセージを組み合わせたアイコンが。大人が1枚で着ても〝粋=エレガント〟に見える、池波正太郎の名にふさわしいTシャツです。



LANVIN COLLECTION MEN’S
Creative Director
祐真 朋樹


僕が池波正太郎さんを知ったのは21歳のとき。雑誌「POPEYE」編集部で仕事を始めた頃のことだった。編集の仕事を知らない僕に、周りの先輩たちは「本を読みなさい」と勧めてくれた。いろいろと推薦された本の中に、池波正太郎さんのエッセイがあった。読書は苦手だったが、池波正太郎さんのエッセイは読みはじめると楽しくてしかたがない。どんどん次が読みたくなる。そのうち、エッセイだけではなく、小説まで読むようになった。雑誌や漫画以外の本に夢中になるのは、生まれて初めての経験だった。

池波正太郎さんは僕の親父と同じ大正12年生まれ。僕とは43歳の歳の差があるが、そのセンスは時間を飛び越えて心に刺さってきた。場面場面の空気や気配を連想させる文章は、痛快で小気味よく洒脱。当時はバイブルとして猛烈に読みまくった。当時を思い出して今もたまに読み返すけれど、何度読んでも新鮮でハッとさせられる。是非、若い人たちにも読んでほしいし、知ってほしいと願う。
池波正太郎さんのエッセイには、フランスを旅した話が多い。中でもパリをテーマにしたものは、江戸っ子の目を持つ池波正太郎さんの審美眼を通して描かれていて秀逸。人物や食べ物、映画、店・・・等々が味わい深く表現されていて、読んでいると、江戸っ子の美学とパリジャンの姿には共通点が多いのではないかと思えてくる。

そんな池波正太郎さんは、文章の他に絵画もたくさん残している。今回は粋な江戸っ子、池波正太郎が描いたパリを、LANVIN COLLECTION MEN’SのグラフィックTシャツシリーズvol.4に使わせていただきました。テーマは「Le meilleur d’Edokko」 。粋=élégant。かけがえのない、粋でエレガントなTシャツが完成しました。ぜひお試し下さい。




池波正太郎(いけなみ・しょうたろう)

大正12(1923)年、東京に生まれる。
昭和30年、東京都職員を退職し、作家生活に入る。
新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。作品に「剣客商売」「その男」「真田太平記」「仕掛人・藤枝梅安」シリーズなど多数。
一方、グルメや江戸~昭和文化を話題としたエッセイも愛され、得意の絵画でも粋な作品を多く遺す。
日本的なダンディズムと人情味溢れる登場人物が広く大衆に愛された、昭和を代表する時代小説家。 平成2年5月3日没。



粋=élégant T ALL